F1は乗用車と比べてけた違いに速いスピードでレースをしています。その速さを実現するため、そしてF1を唯一無二の存在としている「エアロ」について解説したいと思います。
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速さの秘訣・エアロとは
F1の実況や解説を聞いていてエアロという言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
エアロとは、エアロダイナミクスのことで日本語で空気力学です。空気力学では空気の利用の仕方を考えています。F1では空気抵抗の減少とダウンフォースの増加について空気力学を用いて日々研究がされています。
ここでダウンフォースとは?と思われるかもしれませんが、その説明も少ししたいと思います。F1が開催されるサーキットにはたくさんのコーナーがあり、F1マシンはストレートでのスピード以上にコーナーでのスピードが重要視されています。しかしコーナーを曲がるときは遠心力がかかるため、通常の設計では速いスピードでの走行は不可能です。そこでF1マシンでは空気の流れを制御することでダウンフォース、つまりマシンを下向きに押さえる力を発生させ、高速コーナリングを実現しているのです。
空気制御のために取り付けられるパーツをエアロパーツ、あるいは単にエアロと呼び、F1エンジニアがもっとも研究、開発を行っているの分野になります。
どのようにしてダウンフォースを生み出しているのか?
さてF1マシンは具体的にどのようにダウンフォースを発生させているのでしょうか?
一言でいえば「飛行機の翼をひっくり返したようなエアロパーツをたくさんつける」です。
飛行機は上向きの力「揚力」を翼で生み出しています。翼の断面は上側がふくらんでおり、このふくらみによって翼の上面を流れる空気の速度が速くなります。空気には速度が速くなると圧力が減少するという特性があり、翼の上面と仮面の圧力差によって揚力が発生します。F1ではこの揚力の原理を正反対の方向に使用し、ダウンフォースを発生させているのです。
さらに翼の形状だけでなく、翼に角度をつけることでもダウンフォースを発生させています。翼に角度をつけることで空気の流れを変えていますが、その反作用として翼もその向きと反対向きに力を受けます。
ダウンフォースを発生させるパーツとして大きく分けてフロントウィング、リアウィング、フロアの3つがあります。フロントウィング、リアウィングはそれ反作用が主なダウンフォースの発生原理ですが、フロアはマシン全体を翼ととらえて設計されています。
F1の形状が複雑なのはタイヤがむき出しのせい!?
原理は飛行機と同じでわかりやすいですね。しかしF1は飛行機と違って非常に複雑な形をしています。これにはF1の歴史が絡んだ難しい理由があったのです。
それは「タイヤがむき出し」ということです。
エアロを使用したマシンの開発が行われるまでのF1では、軽量化こそがマシンのパフォーマンスを最も向上させるものでした。となると各チームこぞっていろいろなパーツを取り外し、タイヤむき出しのマシンに進化したのでした。その後F1のレギュレーションでF1マシンはタイヤむき出しであることが明記され、現在に至ります。ちなみにドライバーがむき出しなのも同じ理由です。
タイヤがむき出しなことによって現在のF1マシンは非常に複雑な形状にしなければならなくなりました。ダウンフォースを発生させるには翼に流れがきれいな空気を送ることが大事です。しかしタイヤがむき出しだとタイヤで発生した乱気流が翼に巻き込まれてしまい、ダウンフォースを失うことになるかわです。
まとめ
今回はエアロについて解説してみました。エアロは奥が深く、自分もまだ完全には理解しきれていない分野でもあります。今後も勉強に励み、より深く解説ができるようになりたいと思います。みなさんもF1の興味があるところは突き詰めて調べてみるとより楽しくなると思います!
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