【F1】2026新エアロを徹底解説!

F1の技術

2024年6月に発表された2026年新レギュレーションにおけるエアロに関して解説してみました。

エアロ以外の変更点についてはこちら!

2022年からの違い

今回のレギュレーション変更は2022年のコンセプトを受け継いだもので、2022年以降見つかった欠点を改善したものです。基本的に車両パフォーマンスを維持しつつ、レースの活性化に努めたレギュレーションとなりました。これを踏まえ、次の2つがおおまかな変更点となりました。

  • アクティブエアロの導入
  • アウトウォッシュの抑制

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アクティブエアロの導入

2026年からアクティブエアロが導入されます。具体的にはフロントウィングとリアウィングが稼働可能で、マシンはレース中2つのモードを切り替えながら走行できるようになりました。これによってコーナリング時はダウンフォースが増加しストレートではドラッグを低減させることが可能になり、より効率的なエアロマシンとなりました。

アクティブエアロの導入によってDRSは廃止され、DRSの代わりとなるオーバーテイクシステムはパワーユニットで補うことになりました。

アウトウォッシュの抑制

2021年までのF1は後続車の追随が難しく、接近戦が少ないという問題を抱えていました。原因はアウトウォッシュというコンセプトです。F1マシンはなるべく綺麗な空気の流れをウィングやフロアに送りたいので、タイヤなどで発生する乱流はなるべく外側に追いやるというのがアウトウォッシュのコンセプトです。しかしアウトウォッシュにすると車両後方にできる低圧区間に車両脇を流れてきた乱流が巻き込まれます。これにより後続車は乱流の中を走行することになり、パフォーマンスが大幅に減少するため接近しずらかったのです。

エアロの詳しい説明はこちらで解説しています!

2022年からの新レギュレーションではアウトウォッシュをなるべくなくす努力がされました。フロントウィングの端は平たくなり、エンドプレートも簡略化されました。ホイールカバーも付けられ乱流が車両脇に流れることを抑制しています。アウトウォッシュに多大な貢献をしていたバージボードはなくなり、かなりインウォッシュよりのコンセプトになっています。

しかしチームはより速いコンセプトを求めたため、アウトウォッシュを可能な限りとりいれてきました。フロントウィングのスロットギャップセパレーターは外向きに空気が流れるように取り付けられています。さらにアウターストレーキをバージボードの代わりに使用し、サイドポッドもタイヤからの乱流を外側に追いやるデザインになっています。

参照:Alessandro Arcari for FUnoanalisitecnica

2026年からのレギュレーションでは2022年のレギュレーションでは防げなかったアウトウォッシュをさらに抑制する形になりました。

参照:https://www.fia.com/multimedia/image-gallery/2026-fia-formula-1-regulations-renders

フロントウィングは大幅に縮小され、フロントウィングからタイヤの外側へ空気の流れを作ることはできなくなりました。フロントホイールアーチも取り除かれ、さらにサイドポッドのあたりに2つの大きなボードを作りました。これらは空気を内側に流す役割を持っています。

アウトウォッシュを作るパーツを取り除くだけでなく、インウォッシュを促進するパーツを取り付けることでアウトウォッシュをさらに抑制しています。

その他の変更点

アウトウォッシュの抑制に加え、グランドエフェクトカーとなったことでポーポシングや超高剛性なサスペンションセットアップなども問題になりました。

これを解決するためフロアに平坦な部分を設け、インレットとディフューザーは小さくすることでグランドエフェクトを抑制しています。これにともないリアウィングは大型化しました。

まとめ・考察

2026年新レギュレーションではアクティブエアロの導入とアウトウォッシュの抑制が主な変更点でした。このレギュレーションは空気力学的に特に開発が難しいのではないかと考えられます。

アクティブエアロは走行中に空気の流れが大幅に変わるため、そのどちらにも対処できるボディーワークが必要になります。またインウォッシュになることで車両周りを乱流が流れることになり、これの制御が難しくなるのでは?とも考えられるのです。

果たしてこのレギュレーションに対してチームはどんな対策を打ってくるのでしょうか?2026年が楽しみですね!

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