【F1】2026テクニカルレギュレーション

F1

2024年6月6日、FIAはF1の2026年からの新レギュレーションを公開しました。その内容をまとめてみました!

レギュレーション変更の目的と主な変更点

今回のレギュレーション変更ではF1をより素早く、安全にするとともに、接近戦の誘発を施しています。さらに時代に合わせた環境保護、持続可能性についても検討されています。

これを達成するため2026年からのF1は

  • 30kgの軽量化と車体の縮小化
  • パワーユニットをよりEV化
  • 新エアロとアクティブ化
  • DRSに代わる新たなオーバーテイクシステム「マニュアルオーバーライドシステム」
  • より厳しい安全基準

が主な変更点として挙げられています。

それぞれ詳しく説明します!

軽量化と縮小化

2024年の車両は最低重量が798kgでしたが、2026年からは30kg軽量化し768kgとなります。さらにホイールベースは3600mmから3400mmと200mm縮小され、車幅も2000mmから1900mmと100mm縮小されました。これにより接近戦がしやすくなるということです。

これに伴いタイヤ幅もフロントは25mm、リアは30mm縮小されます。

パワーユニットをよりEV化

2026年からはパワーユニットがよりEV化します。パワーユニットは約1000馬力を生み出しますが、その約半分をバッテリーとモーターで賄います。現在エンジンは約550kWを輩出しますが、2026年からは400kWに減少します。

またエンジンに使用される燃料はすべてサステナブル燃料となっており、環境配慮への努力が垣間見えます。

新エアロとアクティブ化

エアロも一新され、いろいろな違いが見られます。特に注目すべき点はアウトウォッシュをなるべく制限している点です。アウトウォッシュにすると乱流のウィングやフロアへの巻き込みを阻止できるためこれまで多くのチームが採用してきましたが、車両後方に乱流を作ってしまい後続車が接近しがたいという欠点がありました。これを阻止する新エアロが採用されています。

またアクティブエアロが採用され、現在のDRS区間などでフロントウィングとリアウィングを寝かせることで空気抵抗を低減するとともに、コーナーではウィングを立ててグリップを稼ぐことができます。またアクティブエアロはデフォルトでどのタイミングでも使えるため、オーバーテイクシステムとしては使用できません。

こちらでエアロの新レギュレーションについて詳しく解説しています!

DRSに代わる新たなオーバーテイクシステム「マニュアルオーバーライドシステム」

さきほど述べた通り、アクティブエアロが採用されたことでDRSは使用できなくなりました。しかしまだオーバーテイクするためには少し後続車にアドバンテージを作らないといけません。そこで採用されたのがマニュアルオーバーライドシステムです。

これはDRSのように前車から1秒以内のところで発動でき、電気パワーを一時的に増加しオーバーテイクしやすくしたシステムです。

安全基準の見直し

参照:https://cdnuploads.aa.com.tr/uploads/Contents/2022/07/03/thumbs_b_c_098cda890e6f99ae39f45be59828b644.jpg?v=181330

前回のレギュレーション変更後新たなアクシデントが発生し安全性が不十分であることが確認されました。今回はさらに厳しい安全基準を設けることでドライバーを保護します。

主な変更点として

  • ロールフープ 45%強化
  • 車重を増やさずにクラッシュ時の車体全体のエネルギー吸収率10%向上

が挙げられます。

まとめ

今回のレギュレーション変更によって、レーシングスピードにそこまで変化はないと考えられています。確かにアクティブエアロが採用されたことで直線でのスピードが大幅に向上しますが、アウトウォッシュを抑制するエアロやタイヤ幅縮小によるメカニカルグリップの減少でコーナリングスピードは落ち込むことが予想されるためです。

しかし車体全体の縮小化とアウトウォッシュ抑制、さらには安全基準をより厳格にしながらも軽量化に挑んだことで、間違いなく多くの接近戦が繰り広げられるでしょう。

2026年からのF1はこれまで以上に見ごたえのあるレースになりそうですね!  

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