WEC(世界耐久選手権)のルールを徹底解説!耐久レースの魅力に迫る

WEC

WEC見始めたけどまだルールいまいちわかってないよ、、、というそこのあなた!

この記事を読んでルールを理解し、楽しくWEC観戦しましょう!

ちなみに基本的なルール構成はF1と同じようになっているので、この記事はこちらの記事をもとに細かいところを変更して書かれています。F1のルールも気になる方はこちらの記事もチェックしてみてください!

ルールの概要

WECはF1と同じようにルールとレギュレーションというものがあります。

ルールは規則、レギュレーションは規制といったニュアンスになります。

ルール、レギュレーションはいくつかにグループ分けできるのでそれぞれ解説していきます。

  • クラス分け
  • ポイント
  • 各レースウィークの流れ
  • 予選
  • 決勝
  • ルール違反とペナルティ

クラス分け

まずはクラス分けです。

WECには2つのクラスが存在します。

  • ハイパーカー
  • LMGT3

それぞれ簡単にまとめてみました!

ハイパーカークラス

ハイパーカーは、WECの中で最も速く、技術的にも最先端のクラスです。
F1とはまた違う方向で、自動車メーカーの技術力のショーケースとして注目されています。

特徴内容
車両タイプ専用開発のプロトタイプカー(市販車ベースではない)
出場チームトヨタ、フェラーリ、ポルシェ、プジョー、BMW、アルピーヌなど
駆動方式ハイブリッド車もあり(前輪モーター付きなど)
最高出力最大約680馬力(規定あり)
性能調整BoP(Balance of Performance) により性能を均等化

特徴としては

  • 空力、パワートレイン、車体設計など自由に開発できる部分が多い
  • そのためメーカーごとにデザインも性能も個性的

ということです!

なお2025年は主に自動車メーカーがワークス参戦していますが、プライベーターも少なからず参戦しているので台数も多くバトルが見られて楽しいです!


LMGT3クラスとは?

LMGT3は、一般市販車をベースに開発されたGTカーで、
「誰もが見たことのある車が走る」クラスです。
レースの中ではより「身近」なカテゴリーですが、戦いは本格的です。

特徴内容
車両ベースメーカーの市販スポーツカー(例:ポルシェ911、フェラーリ296、AMG GT3など)
出場メーカーランボルギーニ、ポルシェ、アストンマーティン、BMW、シボレーなど
駆動方式FR、MR、RRなど市販車の設計に準じる
最高出力約500〜600馬力
性能調整BoP(Balance of Performance)により厳密に管理
ドライバー構成アマチュア含む(FIAのドライバーランクに従う)

市販スポーツカーなので、プライベーターが参戦しやすく、また多種多様なマシンを見ることができます!スポーツカー好きにはたまらないです!

ポイント

ポイントはF1と同じようにシーズンを通じて獲得したポイントの合計を競います。

しかしクラス分けやワークス、プライベーターなどで参加しているチャンピオンシップが違うのでここにまとめたいと思います。

ハイパーカー

ハイパーカークラスにはハイパーカーマニュファクチャラーズ選手権ハイパーカーチームズワールドカップドライバーズ選手権の3つが存在します。

マニュファクチャラーズ選手権にはワークスチームが参加しており、プライベーターは参加していません。ポイントの計算は、各ワークスチーム上位2台のポイントの合計です。注意点としてはマシンのポイントは選手権内の順位で決定することです。例えばあるワークスマシンがハイパーカークラスを3位でフィニッシュし、あるプライベーターマシンが2位で終えたとしましょう。この場合ワークスマシンはマニュファクチャラーズ選手権では2位となります。

続いてハイパーカーチームズワールドカップです。こちらはプライベーターだけが参加しています。プライベーターはチームにつき1台しか出走していないので、そのマシンの選手権でのポイントが純粋にチームのポイントとなります。またマニュファクチャラーズ選手権と同じようにポイントは選手権内の順位によって決定するので、例えばハイパーカークラスの中で10位だったとしても、プライベーターの中で1位であれば1位のポイントが付与されます。

最後にドライバーズ選手権です。この選手権ではハイパーカークラスの全マシンのドライバーが参加しています。ポイントはマシンのレース順位によって決定し、そのマシンのポイントと同じポイントが3名のドライバーにそれぞれ付与されます。なので例えばシーズン中にあるマシンのドライバーひとりが交代となってしまうと、もとから参戦していた2人はマシンと同じポイントになりますが、交代するドライバーは交代した時点からポイントが付与されるのでもしチームメイトがチャンピオンになってもそのドライバーはチャンピオンではなくなってしまいます。

LMGT3

LMGT3クラスには2つの選手権があります。1つはLMGT3チーム耐久トロフィー、もう1つはドライバーズトロフィーと呼ばれています。

チームトロフィーはLMGT3のすべてのマシンが参加しています。そしてポイントはマシンに付与されます。ここで厄介なのは、「チーム」というのはおそらくマシン1つに対してのチーム、なので、同じカラーリングのマシンが2つ出走していてもポイントは合計されたりしないわけです。

次にドライバーズトロフィーです。こちらはドライバーに対してポイントが付与されます。ハイパーカーと同じようにマシンのポイントと同じポイントが各ドライバーに付与されるわけですが、シーズン途中で欠場した場合などに同じマシンのドライバーでもポイントに差が出ることがあるということです。

ポイント付与数

各レースでのポイントはそれぞれの選手権の順位により次のように定められています。

順位6時間レース8〜10時間レース24時間レース(ル・マン)
1位25点38点50点
2位18点27点36点
3位15点23点30点
4位12点18点24点
5位10点15点20点
6位8点12点16点
7位6点9点12点
8位4点6点8点
9位2点3点4点
10位1点2点2点
ポールポジション1点1点1点

各レースウィークの進行

レースウィークは3日間で行われます。初日はフリープラクティス1,2、2日目はフリープラクティス3と予選が行われ、最終日に決勝レースとなります。、フリープラクティスではマシンのセットアップや決勝に向けたシミュレーションが行われます。

予選

予選ではどちらのクラスもF1と同じような形式です。各クラス2セッションあり、それぞれ予選、ハイパーポールと呼ばれています。

各セッションで一周のタイム計測をし、タイムが上位のドライバーが次のセッションに進出する仕組みです。

予選では上位10台がハイパーポールに進出し、11位から以下が決定。

ハイパーポールでは1位から10位までが決定。

という流れです。

ポールポジションを獲るとそれぞれの選手権において1ポイント追加されます。

決勝

スタート

スタートは予選の順位によって決定した順番で並び、ローリングスタートです。ローリングスタートとは、隊列を組んでコントロールラインを過ぎたところからレースがスタートする方式です。F1のセーフティーカー後と同じような形です。

予選でペナルティなどを受けてしまった場合、隊列の順番が降格されることもあります。

走行距離・時間

WECでは基本的にレースは時間で決められていますが、第1戦カタールだけは距離で決められています。

ラウンド開催国レース時間/距離
第1戦カタール1812km(約10時間)
第2戦イタリア6時間
第3戦ベルギー6時間
第4戦フランス24時間
第5戦ブラジル6時間
第6戦アメリカ6時間
第7戦日本6時間
第8戦バーレーン8時間

タイヤ

ハイパーカーではミシェランから3種類のドライタイヤと1種類のレインタイヤが供給されています。ドライタイヤは各レースごとにミシェランが指定した2種類、ルマンではすべてが使用されます。

ひとつ混乱するのはコンパウンドのカラーです。F1のピレリタイヤではソフトは赤、ミディアムが黄色、ハードが白ですが、ミシェランはカラーリングが逆になっています。

LMGT3ではグッドイヤーから現在ドライタイヤとレインタイヤが1種類ずつ供給されています。しかし第5線ブラジルからは現在のミディアムタイヤに加えてハードタイヤも供給されるようです。カラーリングはミディアムが黄色、ハードが赤になるそうです。

ピットストップ

耐久レースのピットストップはタイヤ交換、給油、ドライバー交代をメインの作業としています。

そのほかにもインシデントによってパーツが破損した場合は交換のためピットに入ることが可能です。

ピットレーンでの制限速度は60km/hです。

その他のレギュレーションとペナルティ

上記以外にもさまざまなレース中のレギュレーションが存在します。その代表例をいくつか紹介します。

  • トラックリミット – 走行してよいコース幅を超えた走行の規制
  • 他車の走行の妨害をしてはいけない
  • コースオフ時のコース復帰は安全に行われなければならない

上記のレギュレーションに違反した場合、次のようなペナルティが課される可能性があります。

  • ペナルティポイントの追加 – ペナルティポイントが12点に達すると次戦の出場が認められません。
  • タイムペナルティ – 決勝レース後に5秒や10秒などのタイムが加算されます。
  • ドライブスルーペナルティ – ピットレーンを通過しなければいけません。
  • ストップ&ゴーペナルティ – ピットインして5秒や10秒などの時間停止しなければなりません。

フラッグ

レース中はさまざまなフラッグが振られます。これをみることで現在サーキットでなにが起きているのかがわかります。

  • イエローフラッグ – 前方に事故あり、注意。オーバータテイク禁止。
  • グリーンフラッグ – イエローフラッグの逆、何もなし。レース再開。
  • レッドフラッグ – レース中止。全車ピット帰還。
  • ブルーフラッグ – 周回遅れになりそうな車に対して、後方からの車に進路を譲れ。
  • ブラック&ホワイトフラッグ – スポーツマンシップにかける行動に対しての警告。
  • ブラックフラッグ – 振られたドライバーは直ちにピットに帰還し失格となる。
  • オレンジサークルフラッグ – 機械的問題あり。修復のためピットインせよ。
  • チェッカーフラッグ – レース終了。

またイエローフラッグ中にセーフティーカーなどが先導することもあります。セーフティーカーについてはこちら!

パルクフェルメ

パルクフェルメとは車検のことで、レース前、レース中、レース後にマシンがレギュレーションに違反していないかのチェックが行われます。

WECでは予選後と決勝後にパルクフェルメが行われているようです。

まとめ

今回はWECのルールについてでした。WECでは2つのクラスにいろいろな参戦方式があるため、ポイントの計算方法などが少し難しかったですね。ただ基本的なルールの構成としてはF1に近いところも多かったので、そこまでルールをしっかり見なくても楽しめるのではないでしょうか?

今回は以上です。

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