みなさんはF1のレース中にセーフティーカーを見たことがあるのではないでしょうか?レース中のアクシデントなどによってコース上が危険な場合、セーフティーカーがレーシングカーを先導することでこれ以上の事故を起こさないようになっています。
しかしセーフティーカーがレースに与える影響はそれだけではありません。さらにF1ではバーチャルセーフティーカーというものもあります。今回はセーフティーカーについて深堀し、レースをより楽しめる情報を提供したいと思います!
セーフティーカーとは
セーフティーカーはコース上でレーシングカーを先導する車のことです。セーフティーカーが低速走行しレーシングカーのスピードを抑制することで、マーシャルがコース上の事故車やデブリなどを安全に片付けることができます。セーフティーカーが投入されている最中はレーシングカーは追い抜きが禁止されています。
セーフティーカーは雨天の際のフォーメーションラップでもアクシデントを避けるため投入されることがあります。
セーフティカー投入時はイエローフラッグが振られ、コース脇の電子スクリーンにSCと写すことでドライバーにセーフティーカー導入を示しています。
アクシデントなどの処理が終わるとセーフティーカーはピットに戻り、ドライバーにはレース再開のシグナルが出され、次のラップからレースが再開します。
レース戦略への影響は?
セーフティーカーが投入されることで大きく2つの影響があります。
1つはラップタイムが落ちることです。セーフティーカー投入時のラップタイムはレースペースよりも約60%長くなります。鈴鹿でいえばレースペースが1分35秒だとすると、2分32秒くらいまでラップタイムが落ちます。この間にピットストップをしてしまえばレース中に比べてロスタイムが相対的に少なくなります。
もう1つはギャップがなくなることです。後方車に対して大きく差をとってリードしていたのにセーフティーカー投入によってその差がなくなってしまいます。
これら2つを上手に利用することで前方車に対してタイヤのアドバンテージを得たり、運が良ければ他のマシンがピットストップ中に追い抜きができたりします。
よりタイヤについて知りたい方はこちら!
バーチャルセーフティーカー(VSC)とは?
バーチャルセーフティーカー(VSC)とは、実際にセーフティーカーが出動することなくレーシングカーの走行速度を抑えるシステムです。
VSCはコース状況がセーフティーカーを出すほどひどくなく、レーシングカーが十分にスピードを落とすだけで対応できると思われる状況で発動します。
VSCはレースペースの30%ほどのラップタイムを刻むよう設計されています。VSCが適応されると各レーシングカーは即座にVSCのペースに落とさなければいけません。VSCはレーシングカー間のギャップをなくさないような設計になっているのでセーフティーカーほどレース戦略に影響しません。
セーフティーカーの車種は?
セーフティーカーは長らくメルセデスベンツが供給しており、現在はメルセデスGTブラックシリーズをベース車にしています。2022年からはアストンマーティンもヴァンテージをベース車にセーフティーカーを提供しています。
2022年からのセーフティーカールール変更
2021年最終戦アブダビGPでのセーフティーカー下における指示があいまいだったので2022年からレギュレーションが明確化されました。
- すべての周回遅れのマシンはリスタート前までにセーフティーカーをオーバーテイクし周回遅れを解消すること
- サイドバイサイドになるのを避けるため、前方車から1台分の距離を開けること
- リスタート時は急激な加減速などの走行は危険なので禁止になること
まとめ
今回はセーフティカーについてまとめてみました。セーフティカーが投入されることでレースがより面白くなることがわかりましたね!さらにF1特有のVSCについても理解できるとさらにレース状況を把握しやすくなり楽しく観戦できそうです!
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