アンダーステア、オーバーステアという言葉を聞いたことがあるでしょうか?モータースポーツの観戦が長い方や自分でサーキットを走っているという方には馴染みの言葉かもしれませんね。今回はアンダー・オーバーステアとは何か、どういう特徴があり、代表的なF1ドライバーはどちらが好みなのかを紹介していきたいと思います!
アンダー・オーバーステアとは
アンダーステア、オーバーステアとはいったい何でしょうか?
アンダーステアとは、コーナーを曲がる際にステアリングの切れ角に対して車が曲がりにくい状態をいいます。フロントタイヤが横滑りすることで起こります。
反対にオーバーステアは、ステアリングの切れ角に対してより曲がりやすい状態を言います。リアタイヤが横滑りすることで起こります。
アンダーステアに対してドライバーができることは少ないです。基本的にはフロントにグリップが戻るのをブレーキを使って待つしかできません。しかしオーバーステアはカウンターを当てたり、パワースライドさせることができます。ドリフトもオーバーステアを使った走り方ですね!
ではアンダーステアが悪いということでしょうか?
答えは「いいえ」です。
もちろんアンダーもオーバーも過剰になりすぎることはよくありません。アンダーの場合はコーナーで曲がり切れずに直進してしまいますし、オーバーの場合はスピンしてしまいます。
しかし少量のアンダー・オーバーであればそれぞれにメリットがあり、ドライバーの好みに合わせることでラップタイムを縮めることができます。
アンダーステアのメリット・デメリット
アンダーステアの特徴として、荷重がリア寄りになることがあげられます。コーナーで曲がりにくいのはフロント荷重が比較的少ないため、ステアリング操作が反映されにくいためです。
ただし適切なブレーキングによって荷重移動を起こせる場合、フロントタイヤに必要な荷重がかかり比較的速い速度でのコーナリングが可能です。さらにブレーキング時もリア寄りのセットアップによってリアが暴れるのを防げるメリットもあります。
オーバーステアのメリット・デメリット
オーバーステアの特徴は、アンダーステアの反対に荷重がフロント寄りであることです。
これによりコーナーでの進行方向を変える動きが素早くなるため、コーナー入り口で奥まで突っ込み、素早く切り替えて比較的早くアクセルオンができることがメリットです。
しかしオーバーステアの車はアンダーステアの車に比べてピーキーで、特にコーナー入り口のブレーキングではリアが不安定になりやすいです。
F1ドライバーの好み
アンダー。オーバーの特徴がわかったところでF1ドライバーはどちらが好みなのかを見ていきましょう!
まずはミハエルシューマッハ。赤い帝王はオーバーステアが好みです。
1コーナーなどが特にわかりやすいのですが、コーナーを曲がっているのにも関わらずステアリングはまっすぐに近いところがありますね。車が曲がりやすいセットアップになっているのがよくわかると思います。
続いてはフェルナンドアロンソ。シューマッハを破ったアロンソは彼とは正反対のアンダーが好みです。
アロンソはステアリングの切り方が特徴的で、かなりアグレッシブに切りますね。これをオーバーステア気味の車でやると間違いなくリアが破綻しスピンするでしょう。
続いてマックスフェルスタッペンとルイスハミルトン。2010年代からタイヤが改良されグリップ力が強くなったため、比較しないとわからなくなりました。
(リンクが保護されているので、リンクからYouTubeに飛んでみてください。)
2つを比較するとフェルスタッペンのほうがハミルトンよりも切れ角が少なくコーナーを曲がれています。フェルスタッペンはオーバー、ハミルトンはアンダー気味なのがうかがえます。
まとめ
今回はアンダー、オーバーステアについて解説、検証をしてみました。シューマッハとアロンソのドライビングスタイルの違いは特に顕著で面白かったかなあと感じました。次F1を視聴するときは今回解説したことをもとに新たな目線で観戦してみてほしいと思います!
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